『幽霊大名』は、 昭和二十九年 主婦と生活 四~六月号掲載作品。シリーズとしては、331作目に当たります。 野村胡堂の述懐では、【容易に罪人をつくらないこと、町人に愛情を持っていること、侍や遊び人を徹底的にやっつけること、明るくて健康的であることを心がけた】と語る、日本が誇る捕物帳の名作。 江戸神田明神下の長屋に住む「江戸一番の捕物名人」 舞台は、江戸時代初期の慶安から承応にかけてでしたが、第三十話あたりから江戸時代の後期、文化・文政期あたりにうつっております。 長・短編合わせて総計三八三編(長編21,中編18,短編341,掌編3,)。テレビドラマ大川橋蔵の銭形平次は、18年間で888回をかぞえ、ギネスブックにも載っております。「1人の俳優が同じ主人公を演じた1時間ドラマ」としては世界最高記録であります。 ■銭形平次捕物控 作品リスト https://www.youtube.com/watch?v=TAZ_R3z6i_Q&list=PLbLffmEwTDprV6OWTzThbBxKDoeB6a5r_ ■銭形平次の長篇集はこちら! https://www.youtube.com/watch?v=ruF-vuGxqfs&list=PLbLffmEwTDprPA_TkWCNyyek_EKsRjHwj ■登場人物紹介 平次……銭形の平次。岡っ引き。銭占いと投げ銭打ちが得意技。三一歳。 八五郎……ガラッ八。平次の子分。三〇歳の独身 お静……平次の恋女房。二三歳 笹野新三郎……八丁堀の与力で、平次の良き理解者 お品……石原の利助の娘。中気にかかった父、利助にかわって、御用をうけたまわるようになる。 お村……伏魔殿に住む女中 篠路……お村とともにいた美女だが、殺される。 たより……女護が島の少女。お君。 由太郎……下っ引 金森兵部小輔頼錦……三万八千石の大名だが、 お縁……お妾 金森登之丞……家老 百合……稲垣小太郎娘 稲垣小太郎……側用人 宇佐美左中……ご用人。耳が長い。兎左中 狩澤狂斎……儒者。千之介の育ての親 萬之助……めしい大名 伊太六……萬之助のしもべ 曇海……頼錦にとりつく妖僧 由太郎……下っ引、四十男 兼松……下っ引 磯村平太夫……金森登之丞家来 桜田孫右衛門……大庄屋、幕府に強訴する。 瀬良大膳……金森家の謀反人 ■用語集 嗜虐……シイギャク・残虐な事がすきなこと。 繊手……センシュ・女性の、かぼそい、しなやかな手。 正嫡……セイチャク・本妻から生まれた子。 上巳……ジョウミ・五節句の一つ。3月3日。 日本では雛人形を飾る。 聴許……チョウキョ・ ききとどけてゆるすこと。ききいれること。 数寄……スキ・僻愛すること。 趣味に徹すること。 割台詞……ワリゼリフ・二人の登場人物が,めいめい交互に別の思いを述べながら,最後に同音でしめくくることにより,一貫した台詞となり,音楽的な効果も高める技巧のこと。 獄卒……ゴクソツ・獄の番人。 斎戒……サイカイ・飲食や行動を慎んで、心身を清めること。 妖姫……ヨウキ 嬌瞋……キョウシン・女性がなまめかしく怒ること。 金屋の寵……キンオクノチョウ・金屋は、黄金で飾った家。りっぱな家屋。金殿。 秕政……ヒセイ・よくない政治。悪政。 辯疏……ベンソ・言いひらきをすること。 言いわけをすること。 庶政……ショセイ・いろいろの方面の政務。