一ヶ月前に巫女になったばかり、17歳の森下沙耶。期待に胸躍らせていたが、なんと神社の全財産を身内に持ち逃げされる横領事件が発覚!ショックで体を壊し長期入院を余儀なくされる宮司。そして給料が出ないことを悟った先輩の巫女たちが次々と退職!神社の大イベント「夏祭り」まであとわずかなのに、残されたのは新米巫女の沙耶ひとりだけに……。代理の宮司としてやって来たのは宮司の孫である水元俊彦。実はついこの間まで沙耶と俊彦の関係は生徒と先生だった!?人形のような顔立ちの美少女である沙耶だが、普段は一切の感情を遮断し、威圧感を与えるような無表情で通しているのだが、それには沙耶が持つ「サトリ」と呼ばれる特殊能力が関係しているのだった。そして「サトリ」と神社には代々に渡る深い結びつきがあるのだが……。
男性とは縁なく生きていこうと決めていたが、俊彦に対しては何か人とは違う感情を抱いている沙耶。ある夜の出来事が引き金となって、沙耶は自分の“初めて”を俊彦に許すのだった——。
【目次】
第一話 人の心が見える巫女
電子版あとがき
わかつきひかる
2001年にフランス書院ナポレオン大賞受賞して、頭角を現し、