平凡な人間関係に潜む悪と恐怖を、技巧派が練達の筆致で描く。
江戸川乱歩が〈奇妙な味〉の傑作と絶賛した表題作ほか13編
ソニアはある日、玄関前で出会った今にも倒れそうな青年を家へ招き入れた。善意に満ちた孤独な中年女性の心の隙間に入りこむ美しく不気味な侵入者――“奇妙な味”の名作「銀の仮面」、大都会の暗闇にひそむ獣の恐怖を描く「虎」、ゴースト・ストーリーの佳品「雪」「ちいさな幽霊」、内気な少年に訪れたクリスマスの奇蹟の物語「奇術師」など、精妙なタッチで不安と恐怖の物語を織り上げる名匠ヒュー・ウォルポールの傑作集。
【収録作】
Ⅰ
「銀の仮面」
「敵」
「死の恐怖」
「中国の馬」
「ルビー色のグラス」
「トーランド家の長老」
Ⅱ
「みずうみ」
「海辺の不気味な出来事」
「虎」
「雪」
「ちいさな幽霊」
Ⅲ
「ターンヘルム」
「奇術師」
編訳者あとがき
解説=千街晶之
イギリスの小説家。1884年、
1960年三重県生まれ。早稲田大学卒。87年、『地底の鰐、