本書の元となる原稿はチェコヴィッチが1958年になくなった後に行方不明になっていたが、30年あまりを経て、彼が夏ごとに訪れていたフォルメンテラ島の知人宅で発見され、2003年にフランス語版が発表された。それとは別に発行された英語版は、かなりの部分が削除されたほか、一部の記述が改められている。この日本語版はフランス語版に基づくが、もともとはランダムだったストーリーの順番を整理し直している。
単行本換算:約350ページ
まえがき
Ⅰ コンスタンチノープルにて
最初の出会い
祖国を離れたロシア人たちの間で
グルジェフ氏の医術 アレクシス・クームの難病
冷水を浴びる
記憶術の伝授
現実に目覚める
グルジェフ氏らのロシア脱出とフィリポヴィッチの物語
小さなアメリカ発見
プリンキポ島でのやりとり
戦争における目覚めた人のふるまい
法則の序列
不死性に関する理論
Ⅱ ヨーロッパへ
彼のもとへの危険な旅
芸術の値打ち
アレクサンドル・Rの不思議な回復
Ⅲ フランスの学院にて
インテリたちのおせっかい
プリオーレでの日々 共同作業とエクササイズ
クリスマスツリー
キャサリン・マンスフィールドの思い出
キャサリン・マンスフィールドの再訪
アレクサンドル・ド・ザルツマンと絵描きの技
軽業の披露
ムーヴメンツの公開とジャーナリストの訪問
お馬鹿のエクササイズ
人間にふさわしい働き
不可解な仕打ち
エリートの条件
岩を割る技
蒸し風呂の秘密
電気式医療機器
同一化の力
「ストップ!」
動物たちと自然の理
休息と祝祭
(一)ピクニックと「馬鹿への乾杯」
(二)クリスマス
(三)新年とグルジェフ氏の誕生日
(四)蒸し風呂の楽しみ
いったいどんな権限があって?
ムーヴメンツのにわか教師
偉大な人の昏睡とそこからの目覚め
Ⅳ 公正な人の試練
見事な懲らしめ
見事な許し
公正な人に対する隣人たちのふるまい
Ⅴ パリのアパルトマンにて
助けられる資格
戦争における人間のふるまい
腹痛の妙薬
グルジェフ氏の日課
グルジェフ氏の余計な労働
パリで聞いたモスクワでの話
最後の乾杯
Ⅵ 四人の女たち
グルジェフ氏の妹 ソフィア
グルジェフ氏の妻 ユリア・オシポヴナ
グルジェフ氏の母 バブーシュカ
ジャンヌ・ド・ザルツマン
Ⅶ 私自身に関すること
私の生涯と夢
ある夢のこと
死を越える絆
Ⅷ EN ROUTE 道なかば
チェスラヴ・チェコヴィッチ(Tcheslaw Tchechovitch、スペルに複数のバリエーションあり、
東京外国語大学卒業。翻訳家。1988年に『