ストア掲載情報のテスト機能を利用し、収益を 9% 増加させた Splendid Apps
Splendid Apps が目指しているのは、プロのデザイナーから初心者まで、誰もが利用しやすいグラフィック デザイン ツールを作ることです。同社のグラフィック デザイン アプリでは、質の高いデザインをモバイル デバイス上で簡単に作成できます。
主力製品であるロゴ作成アプリをリリースした 2018 年当時、この種のアプリは数が少なく、ダウンロード数は最初の 4 か月で 100 万件に達しました。AI を活用したテンプレートや各種グラフィック デザイン ツールが使えるこのアプリは、ロゴを作成する世界中のユーザーに利用され、2023 年までに 3,100 万回以上ダウンロードされています。
課題
Splendid の Logo Maker は 130 万人のアクティブ ユーザーに利用され、Google Play では 4.7 という高い評価を獲得していますが、かつてのように市場で唯一のロゴ作成アプリではなくなりました。競合ブランドの登場を受けて、Splendid Apps では、ユーザー獲得数を増やしてカテゴリ ランキングの上位に入る方法を模索していました。
同社は Logo Maker の認知度とコンバージョン率を向上させるため、ストア掲載情報のテスト機能を利用して、アプリのロゴやスクリーンショットについてテストを実施することにしました。当初、経営幹部の一部は、時間がかかり過ぎるのではとテストに懐疑的でしたが、最終的に試してみることにしたのです。
活用方法
Splendid Apps がアプリのアイコンとスクリーンショットに重点を置いてストア掲載情報の最初のテストを開始すると、すぐに結果が確認できました。
Splendid Apps チームが得たのは、次のようなテスト結果です。
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アプリの無料と有料の機能をスクリーンショットでハイライト表示したところ、コンバージョン率に明らかな影響が生じた
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アプリのロゴとスクリーンショットを国別にテストした結果、訪問者数が 20% 増加した
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ロゴの変更によりストアの掲載情報の訪問者が増加した一方、ストアの掲載情報の画像を変更したことでコンバージョン率の向上が確認された
Splendid Apps はこうした分析情報を参考にして、目指す目標に最適なエリアに注力したのです。
各テストの期間はそれぞれ 1~3 週間程度、全体では約 4 か月かけて行いました。テストの実施中は、Google Play Console でパフォーマンスの測定とモニタリングを行うとともに、Firebase と Google アナリティクスを使用してエンゲージメントなどの指標を分析しました。
結果
これらのテストを行った結果、Splendid Apps は新規ユーザー獲得数の増加と全体的なコンバージョン率および継続率の向上を実現するとともに、アプリ ランキングの上位を確保することもできました。また、パフォーマンスが優れていたテスト結果を実装した後、次のような成果が得られました。
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ストアの掲載情報の訪問者が 20% 増加
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ユーザーが 10% 増加
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収益が 9% 増加
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コンバージョン率が向上
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Google Play の人気アプリ ランキングの上位を確保
チームはこれらの結果を基に、新規ユーザーを満足させ、かつ新たな収益化の機会につながる新機能を自信を持って導入することができたのです。するとユーザー エンゲージメントが増加し、そこから日常的にフィードバックを得て新機能を開発するというサイクルが生まれました。
さらに、こうした改善がなされた結果、新たな市場に参入できたこともチームにとって嬉しい成果でした。このアプリ デベロッパーはインドを拠点としていましたが、一連のテストによりアプリの品質を向上させ、ブラジル、メキシコ、インドネシア、そしてインドの新規ユーザーにリーチすることに成功したのです。インドでは新規ユーザーが 9.1% 増加したのに加え、ストアの掲載情報の訪問者が 15% 増加(米国英語版は 19% 増加)、コンバージョン率が 2% 向上しました。
Google Play ストア掲載情報のテスト機能によってオーディエンスについての理解を深めることができ、アプリ インストール数の増加にもつながりました。テスト期間中ずっと Google Play チームのサポートが得られたことも、成功のポイントとなりました。このテストから得られた知見は、かけがえのないものです。