ストロンボリ/神の土地

1950年 • 81分
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この映画について

夫と共に観た「無防備都市」を観てショックを受けたバーグマンは、一人で「戦火のかなた」を観に行く。そして有名な<tiamoしかイタリア語を知らないスウェーデン女優が必要な時には......>という売り込みの手紙を送り、それに感激したロッセリーニの返事が本作の構想だった。RKOを後ろ盾に伊米合作で進められた企画は、二人の不倫騒動で暗礁に乗り上げかけもしたが、なんとか完成。バーグマンは結果的にハリウッドと夫と子を捨てたのである。その情熱がほとばしる火の山の映画。主人公カーリンは夫と死別したリトアニア女で、イタリアの難民キャンプで知りあった漁師アントニオと彼の故郷の島=ストロンボリに向かう。だが、よそ者に冷たい風土と彼女を理解しようとしない夫に絶望し、火山の噴火の混乱に乗じ、島を脱出しようと山を越え港を目指すが、灼熱に力尽き、噴火口近くで一夜を明かす。しかし、翌朝目覚めると聖なる力がみなぎっているのを感じた彼女は、再びこの地で生き直そうと、神に祈りを捧げるのだった......。生活の細密な描写が活きて、いささか唐突な(しかし、迫力充分の)クライマックスを支えている。