2014年、ハリウッドは、俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを自由に使い映画をつくるというビジネスを発明した。すでにキアヌ・リーブスらが契約書にサインしたという。40歳を過ぎたロビン・ライトにも声がかかった。はじめは笑い飛ばした彼女だったが、旬を過ぎて女優の仕事が激減し、シングルマザーとして難病を抱える息子を養わなければならない現実があった。悩んだすえ、巨額のギャラと引き換えた20年間の契約で自身のデータを売り渡した。スクリーンでは若いままのロビンのデータが、出演を拒んできたSFアクション映画のヒロインを演じ続けた―。そして、20年後、文明はさらなる進歩を加速させていた。ロビンはある決意を胸に、驚愕のパラダイスと化したハリウッドに再び乗り込む。