荒れ狂う冬の大西洋で起こった巨大タンカーの遭難事故。吹き荒れるブリザードと漆黒の海。沈没寸前のタンカーの命運は尽き果てようとしていた。真っ二つになった船をなんとか維持しようとするタンカーの船員たち。そんな過酷な状況の中,若き沿岸警備隊隊員バーニーと3人の仲間たちは,木製の小型救助艇で命懸けの救助活動を敢行する。タンカーの生存者は32人,だが,小型救助艇の定員は12人・・・。さらに,救助艇のコンパスは壊れ,荒れる海で帰る方向を探し出す術もなくなっていた。そんなバーニーたちには,1年前同じ海で8人の命を救えなかったトラウマがあった。 「もう誰も死なせはしない!」 北米のこの海域を襲った最大級のブリザード。強大なハリケーンに匹敵する風速40mの雨と雪交じりの強風,最大20mを超える高波が行く手を阻む。操舵を操る手足はかじかみ,服は冷たく凍りつく。さらにコンパスを失った救助艇は,漆黒の海の中で,視界ナシ,方角不明の状況で,救助をすること自体が自殺行為とも言える。救助に向かう男たち,懸命にタンカーの沈没を食い止め救助を待つ男たち。基地や港で生存を信じて待ち続ける家族や恋人たち。様々な思いが交じり合いながら,運命の時間は刻々と迫っていく・・・。