中条景資
- Megjelölés kifogásolhatóként
良くも悪くもオタク性フルパワーの映画。 画面は濃縮された情報の海のようで、それを一つ一つ楽しめるような人にとても向いています。ただし、物語上で何か意味があるかと言えばそうでもない。 単に好きだからその要素を全部盛り込んだ、という感じです。見せ方が凝りすぎていて状況が把握しづらいのですが、物語は単純で、把握できなくても全体の理解には支障ありません。先に述べたように、そうした要素は好事家が楽しむためのものです。 よく映像美が語られるように、現在ヒットしている多くのゲームの画面の作り方と相似点が多い。つまり、それだけの影響を今も尚与え続ける作品、ということになります。 機械的な造形に、当時の流行が感じられるのは楽しいですね。反面、人間の根元的な感情に根差した課題を突きつける物語であり、議論が不十分なテーマは今においても先進的です。 完璧な構成とは言い難く、欠点も多いのですが、それ以上の見所もある作品です。 少なくとも、何かのパクリ、コピー作品ではなく、作者と作品の向き合い方を学べる映画でもあり、見て時間を損する映画の類ではありません。 創作としての価値は、名作の名に恥じないですね。