乗合馬車

1921年 • 94分
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この映画について

戦後のファンにはフォックス専属として、大掛かりな史劇やG・ペック主演の異色西部劇が馴染み深い、大ヴェテランのキング監督のサイレント期の出世作。そして最高傑作であろう。聖書の『ダビデとゴリアテ』を下敷きにした物語で、僻村に住む一人のひ弱な若者が主人公。そして彼は、悪人に不具にされた乗り合い馬車の御者をする兄の復讐を忍耐を重ねつつ果たし、ついには兄を継ぐ御者として認められる。素朴で力強い典型的ビルディング・ロマンとして、グリフィス作品とも共通した味わいをもつ。実際、主演のバーセルメスはグリフィス一家の中核をなす役者であったが、この作品より師の下を離れ、キングとともに独立プロを興した。また、キングは当時、むしろ、二枚目俳優として知られており、本作をもってキャリアの一大転換をなしたと言える。