凸凹お化け騒動

1941年 • 85分
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この映画について

ヴォードビルからラジオ漫才で売ったアボット&コステロの喜劇はあまり映画的な面白さはなく、応々にして子供向け。お化けネタで三本も作っている(本作と「凸凹幽霊屋敷」「凸凹フランケンシュタインの巻」)ことからも判る通り、ジョン・ベルーシを思わすコステロの怯えの演技が売りで、芸の引き出しが余りになく、大体、他の作品も笑いのピークはそこに頼るのみで、大抵は見てすぐに忘れてしまう。お化けものが辛うじて記憶に残るのはそれがそのものズバリだから。なぜかギャングのボスの遺産相続に与かった二人組が、その大金が隠されている田舎の屋敷に赴くと、彼らを認めない子分どもが彼らを追い払おうと、屋敷をお化け館に仕立て、あれやこれやの手で脅かす。ロウソクが動き回っても気づくのはコステロだけ、それを聞かされたアボットには何も起こらない→怒る、の繰り返しギャグは、愛嬌いっぱいのコステロだから許せるというものの、そのキャラクターなくば、すぐにでも退屈してしまうだろう出来。戦時中大人気だったアンドリュー・シスターズが唄だけでなく顔も出して、時代色を感じさせるが、このユダヤの三姉妹の容色は決して作品の潤いになるものではない。