愛のめぐりあい（字幕版)

1996 • 104 minit

Perihal filem ini

"愛"をテーマにミケランジェロ・アントニオーニ監督が描いたオムニバスムービー。「ありえない恋の話」「女と犯罪」「私を探さないで」「死んだ瞬間」の4部構成。官能的で切ないエロスに溢れたフランス映画らしい秀作。撮影を終えた映画監督が次なるアイディアとめぐりあうべく旅を続け、各地で出あった愛の形とは・・・＜第1話　ありえない恋の物語＞水力技師のシルヴァノは旅先の村でカルメンという女に出会う。二人は同じ宿に泊まり、恋に落ちるが、お互いを求めあわないまま別れてします。数年後、二人は運命的にフェラーラの映画館で再会。二人は裸で向き合いが、彼女の肌や唇にどうしても触れることができない。シルヴァノは憮然と立ち上がり、そのまま去っていった。彼はその後もずっと、この一度も自分のものとすることの無かった女を愛し続けるのである。＜第2話　女と犯罪＞冬のポルトフィーノの路地で、私（監督）は若い女性に出会う。海辺の閑散としたカフェで彼女と語り合う。自分は父親を12回も刺して殺害したが、裁判で無罪になったという。その午後、彼女の部屋で激しく抱き合った。なぜ父を殺したのか、彼女は覚えていないが、そんなことよりも、12回も刺した真実で頭がいっぱいになった。＜第3話　パリ、私を探さないで＞パリのカフェで、イタリア出身の娘がパリに住むアメリカ人の男と出会って3年、男の妻は夫の浮気に耐えていた。男は娘と別れられないで悩んでいた。一方でパリ郊外のモダンなアパルトマンに、別の男が出張から帰ってくると、家具も妻の姿もない。電話が鳴り、妻が「私を探さないで」とだけ言って切れた。そこへ例の夫に裏切られた妻がやってきた。男の妻から部屋を買い取る約束になっているという。二人は互いの境遇を知り、同情と奇妙な共感が芽生える。＜第4話、死んだ瞬間＞青年は娘と急ぎ足で歩きながら、教会のミサに行くところだった。青年は祈る彼女の横顔に見とれながら、いつしか眠ってしまう。目を覚ますとミサは終わっていた。外に出ると彼女は広場の噴水の側にしゃがみ、路面に彫られた花に触れている。雨が降りだし彼は彼女を家まで送っていった。別れ際、明日も会えるねと聞くと、彼女は「明日、修道院に入るの」と答えた。雨の中を歩いていく青年の後ろ姿を、私（監督）は見つめながら考える。。世界には様々な人が生き愛を求めあっている。そんな人間たちを見つめることが、私の新しい創作欲をかきたてるのだろうと・・.