テレパシー能力研究の被験者となった7人の男女が、手術や投薬実験の結果、孤立や対立といった状況を引き起こしやがて数名が自殺してしまう。熱狂的なファンを持つ、D・クローネンバーグが学生時代に製作した実験的要素の濃い作品。後に彼の作品で繰り返し描かれることになる"テクノロジーの犠牲者"という題材が既にここで登場している点が興味深い。彼らが孤立し、自滅してゆく展開についても同様で、まさにクローネンバーグの原点となる作品といえるが、完成度や技術面に関しては稚拙でまだ商業的に通用するレベルに達していない。実験映画としても(製作年度を考慮しても)、決して斬新とは言えず、起伏のない展開を見せる物語は確実に眠気を誘う。