終着駅

1954年 • 63分
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この映画について

『終着駅』は、1953年に製作されたイタリアとアメリカの合作映画で、ハリウッドの映画プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが映画『逢びき』に匹敵するメロドラマを作ろうと、イタリア「ネオレアリズモ」の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督を招いて作りあげた恋愛映画の名作。日本でも大ヒットした。キネマ旬報ベストテン第5位。
日本で初公開される前は、題名と同じ意味を表す言葉は「終点」ぐらいしかなかったが、この映画の邦題から「終着駅」という新しい言葉が生まれた。そして、今ではこの映画の題名のみならず、日常でも使われている。このような、外国映画の邦題から日常語になった同じ例として、戦前のフランス映画『巴里祭』がある。イタリア語での原題は物語の舞台となったローマ・テルミニ駅。ジェニファー・ジョーンズの衣裳デザインはクリスチャン・ディオールが担当した。
編集段階でデ・シーカとセルズニックのあいだで創作上の深刻な対立が生じ、その結果、89分のイタリア版と72分のアメリカ版の、ふたつのバージョンが流通することとなった。アメリカ版には「Indiscretion of an American Wife」という別タイトルが与えられた。
このときの苦い経験から、デ・シーカは二度とハリウッドのプロデューサーと仕事をすることはなかった。
那智わたると市川染五郎、佐久間良子と役所広司で舞台化もされている。