ウィンダミア夫人の扇

1925年 • 120分
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この映画について

O・ワイルドの戯曲『ウィンダミア卿夫人の扇』の翻案映画化。いわゆる風俗喜劇、世話もの(Comedy of Manners)の傑作と言われているこの原作は、オットー・プレミンジャーによっても'49年に映画になった。かつての恋人との間に一人娘を作りながらも彼と別れたアーリン夫人は、社交界デビューを飾った娘を遠まきに眩しくみつめる。やがてウィンダミア卿夫人となった娘の前で、卿との関係も噂される恋多き女として登場する母親に真実の告白はできない。それを知って両者の間で立ち往生するウィンダミア氏。しかし、そんな夫を誤解している妻は、実の母のかつて犯したのと同じ不倫のあやまちに走ろうとする。これをなんとか制止しようとする母だったが......。ささやかな、しかし豪奢な扇という小道具が素敵なドンデン返しをもたらし、幸福な大団円を迎える。その鮮やかな演出の洗練。誰あろう、映画においてこれ以上の"Comedy of Manners"の語り部はいまい、E・ルビッチその人の仕業である。