突如、砂漠に放り出された5人の男女が、保安官と思しき男に導かれてたどり着いたのは、ブラッド・シティと呼ばれる小さな町だった。そこでは殺人が合法化されているだけでなく、地位の向上や権力の掌握には殺した人間の数が大きく関与していた......。「ウエストワールド」に影響されて製作されたSFサスペンスで、それはユル・ブリンナー同様にジャック・パランスが、かつての当たり役である「シェーン」の黒づくめのガンマンに扮している事からでも判る。もっともこのブラッド・シティは、レジャー施設としての存在ではなく、"ある目的のための実験場"。その全貌を知った主人公の迎える最期などはユニークで、ストーリーの狙いも面白い。全体的にチープな造りなのが気になるが、未公開SFとしては記憶に留めていい一編。