父親の死に打ちのめされた若き駆け出し作家サル・パラダイスにとって、ディーン・モリアーティとの出会いは青天の霹靂だった。アメリカ東部育ちのサルは知的で内省的な青年だが、西部のデンバーからやってきたディーンは既成の社会通念にまったく囚われず、セックスやドラッグを奔放に楽しむ男だったのだ。たちまちディーンの刹那的なまでに型破りな生き方とその美しき幼妻メリールウに心奪われたサルは、ニューヨークの自宅から広大なアメリカ大陸へと飛び立っていく。さまざまな人々との出会いや別れを経験しながら、ディーンとのかけがえのない絆を強めていくサル。しかし、ふたりのこのうえなく刺激的な"路上の日々"は永遠には続かなかった......。
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