金曜日、ポワロのもとにトッド夫人がやってくる。水曜日からずっと姿を消したままのコックのイライザを捜してくれという依頼だ。ポワロは気が進まないが、行きがかりで引き受けることになる。 早速、トッド氏宅に赴き、トッド氏、下宿人のシンプソン、小間使いのアニーに会って話を聞く。気になったのは、前日に銀行員デイビスの有価証券持ち逃げが発覚した銀行にシンプソンが勤めていることと、姿を消したイライザが、すでに荷造りしてあったトランクを受け取りに使いを寄越したこと。翌日、1ギニーの小切手と共に、トッド氏から依頼打ち切りの通知が届く。頭に来たポワロは、逆に事件の徹底解明を決意。イライザ宛の新聞広告を出す一方、銀行へ行き、シンプソンが前日欠勤していたことを知る。
待ちかねたイライザからの手紙が届き、彼女が祖母の友人の遺産を相続して、ケズウィックにいることがわかる。ポワロはヘイスティングスと湖水地方まで出かけ、イライザから話を聞く。 彼女の話では、水曜日に帰宅途中でオーストラリア人の弁護士に呼び止められ、遺産の話を聞き、その足でケズウィックに向かったという。荷物は弁護士が送ってくれたが、トランクではなく、紙包みで届いたという。 それを聞いたポワロは、銀行の持ち逃げ事件を捜査中のジャップ警部に電話をし、シンプソン逮捕を要請する。そして、いぶかるヘイスティングスに謎解きをしてやる。 オーストラリア人弁護士は、シンプソンの変装で、彼は同僚のデイビスを連れ出して殺害、彼に容疑がかかるように仕向け、その死体をイライザのトランクに入れて駅止めで送った。 イライザのトランクを手に入れるために、遺産の件をでっちあげたのだ。ポワロの推理通り、グラスゴー駅で見つかったトランクには、デイビスの死体が入っていた。 南米へ高飛びしようとしていたシンプソンは出航直前の船上で逮捕され、事件は解決する。(C) ITV Studios Limited 1989