アウトランダー

第２次世界大戦が終わった直後の1945年、夫と共に２度目のハネムーンにスコットランドへ出かけた従軍看護師のクレア･ランダルは古代のストーンサークルに足を踏み入れ、気がつけば１人だけ1743年にタイムスリップしていた。夫の先祖であるイングランド軍の大尉"ブラック・ジャック"・ランダルに襲われかけたところをスコットランドの戦士に助けられるが、そのままハイランド地方の奥深くへと連れ去られてしまう。

マッケンジー一族の本拠地であるリアフ城でしばらくかくまってもらうことになったクレアは、ケガを負った戦士ジェイミーを20世紀の医療技術を使って看護する。城の人々に「遠い親戚を訪ねフランスへ行く途中だった」とでまかせを言うクレアだが、ドゥーガルからは密偵ではないかと疑われる。後日、再びケガをしたジェイミーを介抱すると、その才能に感心した領主コラムに城にとどまり治療師になるよう迫られる。

城ではマッケンジー一族が集まってコラムに忠誠を誓うギャザリングの日が迫っていた。そんななか、ある少年が"黒い教会"という悪魔がいるとされる場所に行き病気になってしまう。だが、悪魔の仕業ではなく中毒症状だと気づいたクレアは悪魔払いをする神父と対立して少年を救い、人々の尊敬を集める。そんな折、不思議な石の中を旅した女の物語を聞き、元の世界へ戻る鍵はやはりストーンサークルにあると確信する。

ストーンサークルに戻りたいと願うクレアはギャザリングの最中に城から逃げ出すが、途中でジェイミーに見つかり戻るよう説得される。仕方なくクレアはジェイミーと共に城に引き返すが、その途中で歩哨に見つかってしまい、ジェイミーは宣誓の場に引きずり出されることに。一度は脱走に失敗したクレアだが、ドゥーガルに地代を集める旅に同行するように言われ、この旅こそ逃げ出すための最高の機会だと気づくのだった。

クレアはドゥーガルたちと共にマッケンジー一族の領地へ地代を集める旅に出るが、密偵という疑いは消えず男たちと衝突を繰り返す。ドゥーガルは農民たちの窮状にあまり同情を示さない一方、イングランド軍からムチ打ちを受けたジェイミーの背中を見せ、地代とは別にスチュアート王朝の復活を願うジャコバイトの活動資金を集めていた。歴史上ジャコバイトの活動が報われないことを知っているクレアはひそかに胸を痛める。

クレアとドゥーガルは旅の途中で出会ったフォスター中尉にイングランド軍の指揮官が話を聞きたがっていると言われ、会いに行く。しかし、そこで冷酷な"ブラック･ジャック"･ランダルと鉢合わせするはめに。クレアの正体を怪しむランダルは暴力をふるった揚げ句、尋問のため翌日フォート･ウィリアムにクレアを連れてくるよう言い渡す。ランダルの呼び出しを拒否できる唯一の方法はスコットランド人と結婚することだった。

冷酷な"ブラック･ジャック"･ランダルの呼び出しを拒否するために、クレアとジェイミーは結婚することに。ドゥーガルは慌ただしく結婚の儀式の準備にとりかかった。成り行きの結婚に最初はぎこちないクレアとジェイミーだが、心も体も結ばれた２人の間にはいつしか愛情が芽生え始める。夫のことを忘れ、ジェイミーのことを愛し始めていることに気づいたクレアは、違う時代に生きる２人の男への愛に胸を引き裂かれる。

20世紀に取り残されたフランクは必死にクレアを捜していたが、手がかりを得られずにいた。そんな折、石の中を通って時空を旅する伝説を聞きストーンサークルへと向かう。一方、クレアは新しい結婚に何とか折り合いをつけようとしていたが、ある事件をきっかけに再び20世紀へ戻りたいという気持ちが募る。ジェイミーの目を盗んでストーンサークルへと向かいタイムスリップを試みるが、不運にもランダルに見つかってしまう。

ジェイミーは氏族の男たちの協力を得て、ランダル大尉の手に落ちたクレアを危機一髪のところで救い出す。夫の言いつけを守らなかったクレアに対し、ジェイミーは慣習に従って体罰を加えるが、クレアはこれに不服を感じ、２人の間に溝が生まれてしまう。クレアに対し謝罪することを決めたジェイミーは、慣習を捨て和解を選ぶのだった。一方、コラムとドゥーガルはジャコバイト運動の資金集めをめぐって意見が対立していた。

恩赦を願い出て自由の身になるチャンスが巡ってきたジェイミー。だが、その見返りとしてサンドリンガム公爵の頼みを聞き、命を危険にさらされることに。一方、ゲイリスはドゥーガルの子がお腹にいることを認めるが、ドゥーガルともども伴侶を殺した疑いをかけられてしまう。コラムはドゥーガルとゲイリスの結婚を認めず、ドゥーガルにジェイミーを連れて城を去るよう命じる。そしてクレアは１人、城に取り残されるのだった。

コラムの策略で魔女裁判にかけられることになったクレアとゲイリス。身の潔白を示すことに失敗したクレアは、弁護士に自分一人だけ助かるか、ゲイリスと共に火あぶりになるかの選択を迫られる。クレアはゲイリスを裏切ることを拒むが、そんなクレアを救うため、ゲイリスは夫殺しを告白し、自分は魔女だと言い放つ。駆けつけたジェイミーに助け出されたクレアは、ついにジェイミーに真実を打ち明けることにする。

ジェイミーについていくと決めたクレアは、ジェイミーと共にラリーブロッホへたどり着く。そこはジェイミーが死んだ父親から受け継いだ領地だった。ジェイミーは領地の管理に奮闘するが、姉のジェニーはその様子を冷ややかな目で見つめる。やがて、ジェイミーが自分一人では領地を管理できないと悟り、ジェニーが父の死をジェイミーのせいにするのは的外れだと気づいた時、姉と弟の間にあったわだかまりは解けるのだった。

ジェイミーの領地に非正規軍がやってくる。彼らはたかり屋だが、面倒を見れば見返りに赤軍服から守ってくれるため、ジェイミーたちはしぶしぶ彼らを泊めることに。しかし、あとからやってきた１人の脱走兵がジェイミーの過去を知っており、ジェイミーに揺さぶりをかけてくる。何とか切り抜けたジェイミーだが、その後、１回限りの約束で非正規軍の奇襲に参加することに。しかし、そこには思いがけない結末が待っていた。

奇襲は失敗に終わる。ジェニーの夫は大ケガを負いながらも家へ戻ったが、ジェイミーは赤軍服に連れ去られてしまった。クレアとジェニーはジェイミーの救出に向かうが、後を追ってきた家臣のマータフと入れ違いにジェニーは家へ戻る。残されたクレアとマータフはジェイミーにある変わった方法でメッセージを伝えようと思いつく。ついにジェイミーからの伝言を受け取った２人は、指定された場所へと向かうが…。

ジェイミーは一度は赤軍服から逃れたものの、再び彼らに捕まってしまう。ウェントワース刑務所に入れられ、まもなく死刑が執行されるという情報がクレアたちの元へ届いた。クレアはショックを受けながらも、マータフやマッケンジーの男たちと共に何とかジェイミーを助け出そうと必死に策を練っていた。そんななか、ジェイミーに意外な人物が救いの手を差し伸べる。しかし、そのことがジェイミーをさらに苦しめる結果に。

"ブラック･ジャック"ことランダルの手に落ちたジェイミーはひどい仕打ちを受ける。クレアたちはウェントワース刑務所に乗り込み、見事ジェイミーを救い出すことに成功するが、ジェイミーは体中に深い傷を負っており、あまりのショックから錯乱状態に陥っていた。赤軍服から逃げる道中、クレアとジェイミーは近くの修道院へ身を寄せ、そこでクレアはジェイミーの心と体を元どおりにしようと必死で看病するのだった。