自身の体験を基にした本作では、支援する側とされる側の「境界線」に立ち続けた日々を克明に記録。心に傷を負った子どもたちとの葛藤、1987年の韓国ソウルでの滞在を通して触れた歴史の痛み 、そして1995年の阪神・淡路大震災における、自身の第二子の誕生と重なった被災と支援活動の壮絶な体験は、その後の福祉観に大きな影響を与えた。
救えた命と救えなかった命の両方を見つめてきた記憶を通して、福祉という仕事の厳しさ、尊さ、そして絶望の中に見出す希望の光を描き出している。
1982年から児童指導員として活動してきた著者は、