事件性なしと判断された資産家の死の真相
生死不明の失踪人の「死体」捜索
『記憶屋』『花束は毒』で話題の著者が描く、
霊と人に寄り添う探偵に舞い込んだ難事件。
推理小説の名探偵に憧れて開設した〈天野春近探偵事務所〉。主な依頼は浮気調査ばかりと理想どおりにはいかないが、ときにいかにも探偵らしい仕事が舞い込むこともある。しかしその大半は、春近の“霊の記憶が視える”という特異な能力を当てにした無茶なものだった。制約の多いその力に振り回されながらも、春近は霊と人を救うため調査を開始する。事件性なしと判断されたはずの資産家の死、二年前に借金を残して行方をくらましていた生死不明の失踪人の「死体」捜索――霊視探偵・天野春近が解き明かす二つの事件を描いた霊能力×ミステリ!
解説=大山誠一郎
1980年ロンドン生まれ。2012年に『霊感検定』