容疑者にされた思念通訳士は<br>自ら捜査を始めるが――
全米図書館協会RUSA賞SF部門受賞
近未来。人類は異星文明ロジアと接触し、友好的な関係を築いていた。音声ではなくテレパシーを用いて会話する彼らロジ人との意思疎通のため、専門の通訳が養成されており、そのひとりであるリディアは、ロジア大使館の文化担当官フィッツの専属通訳を務めていた。ロジ語の通訳をつづけると酩酊に似た状態になってしまうという副作用があるのだが、あるときリディアが酩酊しているあいだに、フィッツが何者かに殺害されてしまう。重要容疑者にされたリディアは、真犯人を突きとめるべく動きはじめるが……全米図書館協会RUSA賞SF部門受賞作。
解説=渡邊利道
1978年イギリス生まれ、ランカスター在住。
翻訳家。訳書にラファティ『六つの航跡』、ワイルズ『