73人もの人間が崖から飛びおりた、謎の大量自殺事件を取材に出かけたわたしは、現場の村で不思議な男性と知り合う。その男は、悪魔の存在証明や真の超自然現象を追い求め、世界を旅しているのだという。年齢2000歳とも言われる彼の名は、サイモン・アーク――。シリーズ第1作にしてホックのデビュー作でもある短編「死者の村」を巻頭に、自薦作品の中からさらに精選した10編を収録した、オカルト探偵アーク待望の第1短編集。
【エドワード・D・ホック】アメリカの作家。1930年生まれ。1955年、サイモン・アークもの「死者の村」でデビューしたホックは、50年以上にわたり、短編ミステリの第一人者として活躍し続けた。『サム・ホーソーンの事件簿』のホーソーン医師やレオポルド警部など、多彩な探偵役を起用して謎解きの醍醐味を満喫させる作風は本国でも高く評価され、MWAグランドマスター賞をはじめ、数々の栄誉に輝いている。
【木村二郎】翻訳家・ミステリー研究家・作家。主な訳書、ホック「サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ」「夜はわが友」、バウカー「約束の土地」、ウェストレイク「バッド・ニュース」、スターク「悪党パーカー/電子の要塞」、プロンジーニ「幻影」など。