バイバイ、エンジェル

笠井潔

maí 1995 · 矢吹駆シリーズ Bók 1 · 東京創元社

Um þessa rafbók

日本の推理文壇に新しい一ページを書き加えた笠井潔の華麗なるデビュー長編

ピレネーの旧家デュ・ラブナン家のイヴォンは、スペイン戦争の際レジスタンスに参加し、失踪する。同家の小作人、ジョゼフ・ラルースはイヴォンと行動を共にするが、単独で帰国後、イヴォンから山を贈与されたと主張し、そこに鉱脈が発見されたため裕福となった。二十年後、死んだはずのイヴォンから手紙が届き、裁きが行なわれるだろうと無気味な予告をしてくる。それが現実となって、ジョゼフの次女オデットの首を切り取られた惨殺死体が発見される……。司法警察のモガール警視の娘ナディアと不思議な日本人青年矢吹駆は真相究明を競い合う。 

Um höfundinn

作家、評論家。1948年東京都生まれ。79年に発表した『バイバイ、エンジェル』で第6回角川小説賞を受賞。ミステリ作家、伝奇作家として活躍する一方、精力的な評論活動を展開する。98年に編著『本格ミステリの現在』で第51回日本推理作家協会賞、2003年『オイディプス症候群』『探偵小説論序説』で第3回本格ミステリ大賞、12年『探偵小説と叙述トリック』で第12回本格ミステリ大賞を受賞。ほかに『ヴァンパイアー戦争』『テロルの現象学』など多数の著書がある。最新刊は『テロルとゴジラ』。