梅田お初天神通りにある、ショットバー『スクウェア』。そこに通う大阪府警薬物対策課の刑事・三田は、今まで追ってきた数々の薬物絡みの事件の陰に、謎めいたバーテンダー「名無しのリュウ」と、常連である元ボクサーの実業家・宇多島の策謀があることを知り、葛藤を抱いていた。彼らは敵か味方か。やがて明かされるリュウの過去と真意。男たちが描くシナリオはどんな結末に向かうのか。そして武闘派暴力団が絡む、薬物事件の捜査の行方は? 『スクウェア』を舞台に、傷と影を抱える男たちの友情と駆け引きを鮮やかに描く、連作ミステリ第2弾。
1967年兵庫県生まれ。神戸大学工学部卒。2007年、長編『ヴィズ・ゼロ』でデビュー、圧倒的な取材力とリーダビリティが高く評価される。他の著作に、『TOKYO BLACKOUT』『バベル』『星星の火』『ユダの柩』『ゼロデイ』『天空の救命室』『群青のカノン』などがある。