世界の再生可能エネルギーと電力システム 系統連系編

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 3.11以降、日本では再生可能エネルギーへの注目が高まり、導入も進んでいます。しかし、その歩みは遅く、導入目標も高いとは言えません。ヨーロッパを中心とする欧米や他の国々では、風力発電や太陽光発電などの本格的な導入が始まっていることと比べると、大きく遅れた状況にあります。
 このシリーズでは、再生可能エネルギーの導入状況、将来予測、コスト&便益、電力情報などについて、図表を豊富に用いて網羅的に分析・紹介してます。再生可能エネルギーと電力システムをめぐる世界と日本の状況の違い、その状況の違いを生みだしている誤った認識とあるべき姿について、しっかりと科学的に論じています。
 シリーズ4冊目では、再生可能エネルギーの普及に立ちはだかっている系統連系問題に焦点を当てます。系統連系問題は技術だけでは語ることはできず、経済や政策などの制度面からの考察も必要です。この問題について、本書の第2章で「古い時代の古い考え方」、第3章で「新しい時代の新しい考え方」を紹介・対比し、問題の本質と解決法を示していきます。
【目次】
はじめに

第1章 「系統連系問題」とは、何が「問題」なのか?
 1.1 そもそも「系統連系問題」とは何か?
 1.2 世界における日本の立ち位置と「系統連系問題」の本質

第2章 古い時代の古い考え方を理解するための7つのキーワード
 2.1 空容量
 2.2 ノンファーム
 2.3 先着優先
 2.4 原因者負担の原則
 2.5 募集プロセス
 2.6 不安定電源
 2.7 バックアップ電源と蓄電池

第3章 新しい時代の新しい考え方を学ぶための7つのキーワード
 3.1 実潮流
 3.2 間接オークション
 3.3 非差別性
 3.4 受益者負担の原則
 3.5 費用便益分析
 3.6 アデカシー
 3.7 柔軟性

第4章 おわりに:系統連系問題は市場参入障壁問題

参考文献

著者紹介

Meer oor die skrywer

京都大学大学院 経済学研究科 特任教授
1989年3月、横浜国立大学工学部卒業。1994年3月、同大学大学院博士課程後期課程修了。博士(工学)。同年4月、関西大学工学部(現システム理工学部)助手。専任講師、助教授、准教授を経て、2016年9月よりエネルギー戦略研究所株式会社 取締役研究部長。京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授。
現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。技術的問題だけでなく経済や政策を含めた学際的なアプローチによる問題解決を目指している。現在、日本風力エネルギー学会理事。IEA Wind Task25(風力発電大量導入)、IEC/TC88/MT24(風車耐雷)などの国際委員会メンバー。
主な著作として「世界の再生可能エネルギーと電力システム 経済・政策編」、「世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編」、「世界の再生可能エネルギーと電力システム 風力発電編」、「送電線は行列のできるガラガラのそば屋さん?」、「再生可能エネルギーのメンテナンスとリスクマネジメント」(インプレスR&D)、「日本の知らない風力発電の実力」(オーム社)、翻訳書(共訳)として「洋上風力発電」(鹿島出版会)、「風力発電導入のための電力系統工学」(オーム社)など。

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