刺客―用心棒日月抄―

藤沢周平

1987年2月 · 用心棒日月抄 3 巻 · 新潮社

この電子書籍について

お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから、五人の刺客が江戸に放たれた。藩内の隠された罪と疑惑を探る忍びの集団「嗅足組」を抹殺するためにである。身を挺して危機を救ってくれた女嗅足の頭領佐知の危難を救うべく、青江又八郎も刺客を追って江戸へ――。

評価とレビュー

シリーズ第3巻目ということもあって、基調は前二巻とよく似ている。殺陣のシーンの緊迫感も相変わらずなかなかのものである。この巻の特色はくノ一の頭目の魅力gさらにさらに増したところである。作者藤沢周平の思い入れの深さがシリーズを進めるごとに増しているような気がする。そして、北国の国元で留守を守り子どもを生み育てる妻の健気さ不憫さも更に増しているような気がする。