国内外の名作、注目作にミステリ評論家・センガイアキユキが迫る!
映画、ドラマ、そしてアニメ作品――
映像作品から、アレンジ、リスペクトされた原作の細部に宿る魅力を読み解く評論集
映画、テレビドラマ、アニメにも、原作付きの作品が多くを占めている現代。中でもミステリを原作とした映像化作品は人気が高く、続々と製作されている。国内ミステリ映画の名作『犬神家の一族』は、映画だけでなくテレビドラマとしても幾度となく製作されているほどである。同作をはじめ、映像ならではの魅力を駆使した全28作品について、ミステリ評論家・千街晶之が切り込んでゆく、読み応えある評論集。
【目次】
まえがき
第一部 謎解きのカレイドスコープ
簞笥の奥の闇――『犬神家の一族』
裏切りの永劫螺旋――『アンフェア』
銀幕観相術――『アヒルと鴨のコインロッカー』
銀色のミスディレクション――『姑獲鳥の夏』
海峡を越えた女王――『ゼロ時間の謎』
牙を剝く聖都――『天使と悪魔』
彼らの愛した数式――『オックスフォード連続殺人』
第二部 幻影のアルバム
プティ・トリアノンの百七人――『理由』
窯変の牢獄――『46億年の恋』
風とマレビト――『六番目の小夜子』
五衰の檻――『おろち』
純粋すぎる風景――『GOTH』
独身者のゴースト――『イノセンス』
東京怪談――『パレード』
第三部 過去へのタイムマシン
死美人狂想曲――『ブラック・ダリア』
奇術(マジック)と魔術(マジック)――『プレステージ』
見えない翼――『点と線』
イリュージョンの陰画――『幻影師アイゼンハイム』
芳香の救世主――『パフューム ある人殺しの物語』
昭和闇迷宮――『ロストクライム―閃光―』
第四部 善悪のラビリンス
迷走の遊戯、暴走の正義――『DEATH NOTE』
眼球都市の死角――『マイノリティ・リポート』
最も危険な賭け――『ミスト』
失われた時間――『オールド・ボーイ』
二〇世紀のスパイの肖像――『007/カジノ・ロワイヤル』
記憶の旅の果て――『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』
凸面鏡に舞う――『告白』
敗戦の考現学――『UN-GO』
主要参考文献
DVD情報
作品一覧
1970年北海道生まれ。立教大学卒。95年「