自分の道は、自分で決める。
元号が変わった年。
老舗映画会社の買収をきっかけに、
会社員たちは自らの働き方を問い直す――
〈マカン・マラン〉の著者がおくる、大人の群像劇!
新元号が発表された2019年4月、老舗映画会社・銀都活劇の宣伝チームで働く砂原江見は岐路に立たされていた。長く務めた勤務先が、大手IT企業傘下の映像配信会社に買収されることが決まったのだ。すべての企画が止まった社内には弛緩した雰囲気が漂い、不穏な噂が飛び交っている。DVDの宣伝を手がける江見の部署も、一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。では社名が消えるまでに、自分はどんな“仕事”がしたいのか――働き方は十人十色。時代や元号がどんなに変わろうとも、自分の働き方を決めるのは自分だけ。すべての働く大人たちにエールをおくる傑作小説!
解説=松井ゆかり
東京都生まれ。『銀色のマーメイド』