数世紀を遡る謎解きの鍵は
ページに挟まった蝶の羽。
焚書と戦火の時代、
伝説の古書は誰に読まれ、
守られてきたのか?
伝説の古書『サラエボ・ハガダー』が発見された――深夜のその電話が、数世紀を遡る謎解きの始まりだった。容赦ない焚書と戦火の時代にありながら、この本は誰に読まれ、守られ、現代まで生き延びてきたのか? 調査を依頼された古書鑑定家のハンナは、ページに挟まった蝶の羽や、羊皮紙に染み込んだワインの一滴を手がかりとして、美しい古書の歩んできた歴史をひも解いてゆく。その旅路には、激動の世を懸命に生きる人々の姿があった――科学調査に基づく謎解きの妙と、哀惜に満ちた人間ドラマが絡み合う、第2回翻訳ミステリー大賞受賞作!
解説=千街晶之
1955年、オーストラリアに生まれる。シドニー大学卒業後、
東京都生まれ、武蔵野美術大学短期大学部デザイン学科卒。