そこで見つけた帆船の航海日誌に自分の人生を綴る。
暗闇の中、孤独な老人はなにを思うのか……
鬼才ケアリーが描く、
もうひとつのピノッキオの物語!
著者によるイラスト多数収録!
巨きな魚の腹のなか。乗っていた舟ごと魚に呑み込まれたジュゼッペは、そこにあった朽ちかけた船で発見した航海日誌に、自分の来し方を綴っていく。彼が創った、木彫りの人形ピノッキオに命が宿ったこと。学校に行って戻ってこなかったその子の行方を探し、小さな舟で海に漕ぎだしたこと。そして彼の手記はさらに遡り……。絶望的な状況下、ジュゼッペ老人は何を思い、何を綴ったのか。鬼才ケアリーが描く、もうひとつのピノッキオの物語。
1970年にイングランド東部のノーフォーク州で生まれる。
翻訳家。訳書にエドワード・ケアリー『望楼館追想』、『