人間が作ったマシン・黒のアンドロイド。百兆個の強靭なナノ鋼鉄細胞から成るからだ。宇宙空間のどのように過酷な状況下においても、生き延びることができる。人間は、黒のアンドロイドの深層心理に、極限状況下の想像を絶する困難をも乗り超えられる、強靭な精神を植えつけた。
黒のアンドロイドは、人類を苦悶のうちに絶滅させた侵略者を宇宙から消滅させるために、復讐の念に駆られた生き残りの人間たちによって作られた。からだの中に、広大な宇宙空間を瞬時に崩壊させる、空間崩壊爆弾が埋めこまれている。侵略者の内部に入り込んで自爆するのだ。
人間によって、復讐、怨念、憎悪の塊にされた黒のアンドロイドは、人類の最後の生き残りの夫婦が狂気の夢の中で死んだあとも、目的完遂のために突き進む。極限の恐怖にさらされても、復讐の怨念が打ち砕かれることはない。
人類が宇宙を制覇したときに現れた侵略者とは何か?人類をこの宇宙から抹殺した侵略者の意図とは?時空を超えた次元の闇の中からこの宇宙に出現した、侵略者の正体が最後に明かされる。そして黒のアンドロイドの意外な存在理由も。
この小説は未来の黙示録といえる。善と悪の戦い。その最終的な結末。
中学生のときに、太陽黒点の観測で学生科学賞を受賞した。
北海道大学獣医学部を卒業した。日本、オーストラリア、
研究者、評論家、エッセイスト。和戸川はハンドルネーム。