1884~1950。静岡県生まれ。中学生の時、島崎藤村の『若菜集』に触れて文学に目覚めると同時に、足尾鉱毒事件によって社会問題にも関心を持つようになる。早稲田大学在学中は、幸徳秋水、堺利彦ら平民社の社会主義運動に共鳴。1905年には、中里介山らとプロレタリア雑誌「火鞭」を創刊する。その頃から論集『鉄火石火』、創作集『黄昏』などを発表して気鋭の作家、評論家として注目を集める。また市井の歴史研究家としても活躍し、幕末以降の日本の歴史を政治、経済、文化の側面からとらえる『財界太平記』、『西園寺公望伝』、『坂本龍馬』などの作品を残している。