世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編

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 3.11以降、日本国内では再生可能エネルギーへの注目が高まり、導入も進んでいます。しかし、その歩みは遅く、導入目標も高くはありません。欧米や他の国々では、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの本格的な導入が始まっていることと比較すると日本国内は特殊な状況にあります。
 このシリーズでは、再生可能エネルギーと電力システムの状況、将来予測、コスト&便益、社会受容性と電力情報(停電やコスト、将来計画、データ公開と透明性)について、図表を豊富に用いて網羅的に比較分析していきます。再生可能エネルギーと電力システムをめぐる世界と日本国内の状況の違い、その状況の違いを生みだしている誤った認識とあるべき姿について、しっかりと科学的に論じていきます。

 シリーズ2冊目の本書では、電力システムを紹介します。普段我々が当たり前のようにそのサービスを享受している「電力システム=電力系統」とは何か?、から始まり、日本は世界で一番停電が少ない国?、日本は国の西と東で周波数が50Hzと60Hzに分かれているが、それは世界で特殊なこと?、日本は小さな島国なのに電力会社がたくさんありすぎる?、海外の電力システムはどうなっている? これらについて、日本・欧州・北米の世界の3つの地域の電力システムを比較しながら、できるだけ「外からの視点」で日本の電力システムを俯瞰的に紹介していきます。
【目次】
はじめに

第1章 電力システムの国際動向:意外と知らない世界の電力システム
 1.1 日本は小さな島国?
 1.2 一つの国の中で周波数が分かれているのは日本だけ?
 1.3 日本に電力システムはいくつある?
 1.4 日本には狭い国の中でたくさん電力会社がある?

第2章 電力自由化と発送電分離:「電力会社」を再考する
 2.1 「電力会社」は2020 年になくなる?
 2.2 海外にも「電力会社」はあるの?

第3章 停電と電力の安定供給:停電は絶対起こってはならない?
 3.1 日本は世界で一番停電が少ない?
 3.2 停電を防ぐためには?
 3.3 大停電(ブラックアウト) を防ぐには?

第4章 連系線と協調制御:スマートなグリッドとは?
 4.1 連系線って何のため?
 4.2 欧州は「メッシュ型」で日本は「くし型」?
 4.3 真にスマートな電力システムとは?

 おわりに(何のための国際比較か?)

 参考資料
 著者紹介

About the author

京都大学大学院 経済学研究科 特任教授
1989年3月、横浜国立大学工学部卒業。1994年3月、同大学大学院博士課程後期課程修了。博士(工学)。同年4月、関西大学工学部(現システム理工学部)助手。専任講師、助教授、准教授を経て、2016年9月よりエネルギー戦略研究所株式会社 取締役研究部長。京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授。
現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。技術的問題だけでなく経済や政策を含めた学際的なアプローチによる問題解決を目指している。現在、日本風力エネルギー学会理事。IEA Wind Task25(風力発電大量導入)、IEC/TC88/MT24(風車耐雷)などの国際委員会メンバー。
主な著作として「世界の再生可能エネルギーと電力システム 風力発電編」、「送電線は行列のできるガラガラのそば屋さん?」、「再生可能エネルギーのメンテナンスとリスクマネジメント」(インプレスR&D)、「日本の知らない風力発電の実力」(オーム社)、翻訳書(共訳)として「洋上風力発電」(鹿島出版会)、「風力発電導入のための電力系統工学」(オーム社)など。

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