子供たちは“事件”を起こした。
密室状況から忽然と姿を消す小学生たち。
彼らはどのように、そしてなぜ失踪しているのか?
『珈琲店タレーランの事件簿』の俊英による傑作ミステリ!
団地に住む小学生が失踪しては数日で戻ってくる出来事が立て続けに発生している。ついては事件解明に力を借りたい。そんな匿名の情報提供を受けたゴシップ誌『月刊ウラガワ』の新人編集者・猿渡は、フリー記者の佐々木とともに現場となった城野原団地での取材を開始した。状況から家出かいたずらであることは明らかだったが、猿渡らが失踪方法を調査する最中に、別の子供が教師に見張られた授業中の学校から忽然と姿を消してしまう。彼らはどのように失踪しているのか、そしてその目的とは――。子供たちの切実なる闘いを描いた傑作ミステリ。
【目次】
プロローグ
第一章 失踪する子供たち
第二章 光の密室
第三章 春は戻らない
第四章 秋分の決戦
第五章 夏を取り戻す
第六章 冬が終わるまで
エピローグ
単行本版あとがき
解説=辻真先
1986年福岡県生まれ、京都大学法学部卒。2012年、