帝都を騒がす怪盗ロータスこと蓮と、
その幼馴染であり元検事の安西省吾。
二人が出会った五つの事件。
〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ作品集!
「怪盗になる」そう宣言した幼馴染の蓮に仲間として引き入れられ、安西省吾は東京地方裁判所検事局を辞めてともに欧州に渡った。異国で成功した手妻師とそのマネージャーという体裁で帰国した二人は、しばらく日本で休養するはずだったが……蓮は揉め事を起こさないという約束をはぐらかし、次々と不可解な出来事に首を突っ込んでいく。帝国ホテルから一晩で消えた金塊、名家に伝わる嫁入道具をめぐる騒動、すべて一等が出る駄菓子屋の籤の謎――怪盗ロータスの華麗なる推理綺譚。〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ。
【収録作】
「グランドホテルの黄金消失」
帝国ホテルに持ち込まれた金塊が一晩で消えた。
「特等席」
名家に伝わる嫁入道具・貝合わせの行方を追う。
「埋める者 暴く者」
湯治のはずが、何故か埋蔵金探しに巻きこまれ……。
「すべて当たり籤」
駄菓子屋の籤引きが思わぬ騒動を引き起こす。
「光と影のおむすびころりん」
貧しかった寺男の遺品を盗んだ犯人の目的とは。
1975年、秋田県生まれ。2008年『人魚は空に還る』