通信障害の増加、いちじるしく明るいオーロラの発生……。彗星となったアテナの息吹は確実に地球に届きつつあった。大変動の日を迎えたとき、地球の未来になんらかの希望をつなげる人びとがいるとすればクロニアにたどり着ける人びとであり、クロニアにたどり着く唯一の手段とは軌道上にあるシャトルに乗り込むことだ。その要員として指名を受けたのは、有能な原子力エンジニアで、クロニア人の信頼を充分に得ているキーンだった。しだいにパニックの度合いを増していく地球上で、多くの失われた命、文化を嘆きながら、キーンはある決断を下す。/解説=金子隆一
【J・P・ホーガン】
イギリスの作家。1941年生まれ。コンピュータ・
【内田昌之】
1961年生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。英米文学翻訳家。