路地裏の迷宮踏査

· 東京創元社
電子書籍
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この電子書籍について

偉大なるミステリ作家たちは、こんなにも愛すべき人びとだった。

海外探偵小説の“裏道”で発見した、ほかでは読めない情報が満載。

初心者にもマニアにも、面白くってためになる、

書評家・杉江松恋による53章の愉快なブックレビュー集。


突然ですが、以下のクイズにあなたは答えられますか?

ヒッチコック監督作品で、ジョセフィン・テイ『ロウソクのために一シリングを』が原案となった映画のタイトルは?

S・S・ヴァンダインの長篇のなかで、一作だけ仲間はずれの書名を挙げよ。

トルーマン・カポーティの同級生だった、日本で読める単著は一冊しかない(しかしなぜか高確率で読まれている)EQMMの年次コンテストで最優秀新人賞に輝いたミステリ作家の名前は?

……本書を読めば、あっという間に答えがわかります!


『毒入りチョコレート事件』(アントニイ・バークリー)、『赤い館の秘密』(A・A・ミルン)、『クロイドン発12時30分』(F・W・クロフツ)、『失踪当時の服装は』(ヒラリー・ウォー)、『野獣死すべし』(ニコラス・ブレイク)……などなど、数々の傑作を著した53人の海外ミステリ作家たち。その意外な交友関係や、執筆にまつわる知られざるエピソードを、風の向くまま気の向くままにご紹介します。寝る前や、ちょっとした空き時間に、ページをぱらぱら捲っていただければ幸いです──。ミステリのみならず、文芸全般に精通する気鋭の書評家・杉江松恋が、丸9年にわたり連載した「ミステリーズ!」伝説のブックレビュー。ミステリ読者必携の一冊!


【目次】

まえがき

エドマンド・クリスピンはグルーチョ・マルクスから何を学んだか

真似してはいけないロジャー・シェリンガムの恋愛作法

クリスティ、皆殺しのバラード

フィリップ・トレントの密かな愉しみ

イズレイル・ザングウィルで笑うべきか否か

A・A・ミルンの「これが人生だ!」

教えてよ、ミッキー・スピレーン

四十年は早かった? クロフツ

ステーマンの作品の外に伸びた線

ビル・S・バリンジャーの「遠くへ行きたい」?

メースンの義を見てせざるは

ウォーの奇妙な味

パット・マガーの『アメリカの悲劇』

ホーナングの滑稽な階級意識

アラン・グリーンの恋のから騒ぎ

カーだってマルキスト

レックス・スタウトのリベラリズム

フレミングの愛したスパイ

ウッドハウスという鋳型

ヒルトンは孤独ではない

フラナガンの歴史的視点

テイという人の顔

ご冗談でしょう、フリーマンさん

チェイニイの強運

ノックスの王手無用

人騒がせなルブラン

ホワイトチャーチに萌えてみた

アップフィールドの帝国主義

クイーンが読まなかった本

フレミングの二人の合作者

ブラウンに茶々を

ミッチェルの振り上げた拳

ヒラーマンの偉大な箱庭

O・ヘンリーのほら話

ブレイク、家族の問題

ガードナーは車輪を回す

ブラウンのサイド・ショウ

ブリーンひとり雑誌

二人でコールを

モイーズのお話が生まれたところ

ストリブリング、交わらない線

ホックのD

ヴァン・ダインの六文字

ケメルマンの閉じた世界

ネヴァーランドのバリ

アタイヤにつながる線

プロクター、身も蓋もなし

袋小路のハミルトン

アリグザンダーの〈戦前〉

ドモアリガト、ミスター・ボール

セックス・ヘクト・ロックンロール

モームの英国式朝食

バウムのグランド・ホテル

索引

著者について

1968年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業。国内外のミステリをはじめとする文芸書やノンフィクションなど、幅広いジャンルの書籍について書評・評論活動を展開。読書会・トークイベントの主催も精力的にこなす。主な著書・共著に『バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌』『東海道でしょう!』『読み出したら止まらない!海外ミステリーマストリード100』がある。

読書情報

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