殺人者の空

山野浩一

кас 2011 · 山野浩一傑作選 Кніга 2 · 東京創元社

Пра гэту электронную кнігу

三島由紀夫、安部公房が讃えた才能

日本のＳＦ創作・評論動を牽引した著者の真骨頂9編を収録

学部自治会での内ゲバの結果、私はＭ派の内通者Ｋを殺害した。死体は仲間たちによって埋められ、事件の痕跡は完全に消去された。その後、私は警察から任意出頭を求められ大学も独自に調査を開始する。しかしその結果明らかになったのは、被害者とされるＫなる学生が存在しないという奇妙な事実であった……非在の男がもたらす不安が、〈殺人者〉を異様な結末へと導く表題作の他、単行本初収録となる「内宇宙の銀河」をはじめ、「開放時間」「森の人々」「φ（ファイ）」など貴重な作品を集成。日本におけるニュー・ウェーヴＳＦ運動を牽引した著者の真骨頂ともいえる9編を収録する。 

Звесткі пра аўтара

1939年、大阪府生まれ。関西学院大学法学部中退。創作・評論活動の傍ら『季刊ＮＷ－ＳＦ』を創刊、日本におけるニュー・ウェーブ運動を牽引した。競馬評論家としても活躍する。主な著作は『レボリューション』『花と機械とゲシタルト』『名馬の血統』『サラブレッド血統辞典』など。