潜水鐘に乗って

· 東京創元社
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サマセット・モーム賞受賞、ホリヤー・アン・ゴフ賞受賞】


そこは、現実と幻がいともたやすく交わる地。

妖精、巨人、精霊、魔犬……

英国コーンウォールの豊かな伝説を下敷きにした、

ささやかでありながら忘れがたい12の物語


48年ぶりに夫と再会するため、旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人(表題作)、身体が石になる予兆を感じた女性が過ごす最後の一日(「石の乙女たち」)、やがて巨人になる少年と、人間の少女のなにげない日常のひととき(「巨人の墓場」)、数百年を生き、語るべき話を失いながらも再び物語を紡ごうとする語り部(「語り部(ドロール・テラー)の物語」)……妖精、巨人、精霊、願い事をかなえる木、魔犬……さまざまな伝説や伝承がいまなお息づく現代の英国コーンウォール地方を舞台に、現実と幻が交錯する日々をあるがまま受け入れ、つつましく暮らす人々の姿を、新鋭ルーシー・ウッドが繊細かつ瑞々しい筆致で描く12編を収録した短編集。


【目次】

潜水鐘に乗って

石の乙女たち

緑のこびと

窓辺の灯り

カササギ

巨人の墓場

浜辺にて

精霊たちの家

願いがかなう木

ミセス・ティボリ

魔犬(ウイシット)

語り部(ドロール・テラー)の物語

訳者あとがき=木下淳子

Om forfatteren

イギリスの作家。コーンウォール出身、デヴォン在住。エクセター大学で文芸創作を学び、修士号を取得。2012年、『潜水鐘に乗って』を刊行しデビュー。同書でサマセット・モーム賞、ホリヤー・アン・ゴフ賞を受賞し、国際IMPACダブリン文学賞、ディラン・トマス賞の候補となったほか、収録短編「精霊たちの家」はBBC短編小説賞の次点に選ばれた。ほかの著作に長編Weathering (2015)、短編集The Sing of the Shore (2018)がある。

英米文学翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。訳書に、ジェス・キッド『壜のなかの永遠』、レイ・ペリー『ガイコツと探偵をする方法』『ガイコツは眠らず捜査する』、ペネロペ・ウィリアムソン『運命の夜に抱かれて』などがある。

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