そんな奇妙な予告状が元軍人タッカー子爵の元に届いた。またもやバークレイ刑事に協力することになったエリカは、しぶしぶ調査に同行することに。人生初の汽車に揺られ着いたのは、雪深い山の中、断崖絶壁の上に建つ別荘だった。怪盗が盗むという柱時計は確かに豪華絢爛だけれど、何だか訳ありらしい。加えてこの別荘は売りに出されているようで、エリカたちは3人の購入希望者、子爵、それに使用人たちと和やかに過ごすことになるが……息も凍るようなある朝、事件は絹を引き裂くような悲鳴と共に始まり──。
雪に閉ざされた別荘で、エリカは真実にたどり着けるのか!?
日本推理作家協会会員。ほぼ同時発売の「殿下、