もう会えないひと。
成人式、結婚式、葬式、祭礼――
人生の節目に訪れる出会いと別れを書く
文庫オリジナル・アンソロジー
人生の節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。
【目次】
もうすぐ十八歳=飛鳥井千砂
ありふれた特別=寺地はるな
二人という旅=雪舟えま
漂泊の道=嶋津輝
祀りの生きもの=高山羽根子
六年目の弔い=町田そのこ
1979年愛知県生まれ。2005年『はるがいったら』
1977年佐賀県生まれ。2014年『ビオレタ』
1974年北海道生まれ。2011年に歌集『たんぽるぽる』を、
1969年東京都生まれ。2016年「姉といもうと」
1975年富山県生まれ。2010年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作入選。14年、
1980年福岡県生まれ。2016年「カメルーンの青い魚」