絶対読むべき名作　風立ちぬ

堀辰雄

ゴマブックス株式会社

この電子書籍について

 The novel of Tatsuo Hori who is the novelist of the early Showa era. In 1923, when he was 19 years old, he contracted tuberculosis. His fianc?e also had tuberculosis and her symptom was worse than his. So she was hospitalized in a sanatorium in Shinshu. He had tuberculosis himself, but he decided to be hospitalized in the sanatorium for a few months to take care of her. This is the book about this experience.

評価とレビュー

最近では、宮崎駿監督の映画化が話題の本書。恥ずかしながら私も映画をみて、この書籍に辿りついた口です。 これがしたいという仕事と、その仕事が何を世の中に生むのか。これは仕事をするうえでの永遠のテーマであるし、自分が何をするのか。その結果に関してふどこまで関わるのかというのは、課題でもある。本書では、主人公の飛行機作りの夢と、その純粋な結果が世の中にもたらした戦争の結果について、あくまで糾弾することなく、淡々と丁寧に細やかに描く。そして、それでも生きなくてはいけないという、強いメッセージを感じた。匂い立つような風景描写が逸脱で、動きのあるアクションやミステリーなどとは異なる、別次元の美しさが本書にはある。

映画化に誘発されて、購入してみた一冊。読んで良かったと心から思える一冊です。 日本らしい、丁寧で美しい描写に、読んでいて透明感を感じました。 これぞ純文学という風情で、心情描写や、風景描写が、ありありと脳に浮かんでくる。生はもちろん、この小説の中では、死や迷いすらも美しい。 軽井沢の避暑地に行きたくなって、思わず夏の旅先は軽井沢にしてしまいました。 多少ストーリーは淡々としていて退屈する場面もありますが、しみじみと感じる作品なので最後まで読破してほしい。

死に対する不安と死を受け入れようとする覚悟が入り混じっていて、自分の大切な人が彼女のような状態だったら、自分は主人公のように支えられるようになりたいと思いました。