裏庭の、とある神社の裏側で。

· 網葉 きよら
電子書籍
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ページ

この電子書籍について

網葉きよら長編小説。

ふりがな付きで、約14万字を収録。


<あらすじ>

主人公の「僕」は、何も積み重ねていない単なる健康マニアな30代。

その「僕」の日課といえば、アパート裏手にある神社、そこでの体操や階段の上り下りだった。

また、神社では「健康と美容」を奉っており、近所のおばさん達の人気スポットとなっていた。

そんなある日、「僕」がいつものように境内空き地で体操を行っていると、突然自らの身体が落下してしまう。

気付けば、大きな落とし穴に落ち込んでしまっていた。

足を擦りながら回りを確認すると、そばに女性の死体が横たわっている。

しかもその死体には、奇妙な膜が全身隈無く張っており、シワが幾十にも刻まれていた。

「怖いし、とりあえず穴から脱出しよう」

そう思った「僕」は、穴から這い上がり、神社内に存在している「お清めの水」を死体へ捲き、その場を後にする。

がしかし、「僕」はどうにも気になっていた。

「あの死体、本物なんだろうか? 健康の反対、腐るってなんだ? それに、僕の指紋がべったり付着いているかもしれない」

あの奇妙な死体へ取り憑かれてしまったかのように、「僕」は迷走を始める。

「もう一度、あの穴へ戻らなければ」

警備のアルバイトなど手に付かず、穴のことばかり考えてしまう。

そして遂に、塞いだはずの大きな垂直へ戻り、さまざま確認することに。

「この死体を覆っている膜は、いったい何なのだろう?」

膜を破ってみると、そこには、

若返っているであろう美麗な肌が存在した。

「なんで? この死体はおばさんだと思っていたのに……」

膜をすべて取り終わると、前回見た姿とはうって変わった、若い女性の死体が露わとなる。

「ああもしかして、これって若返っているのか?」

「だったら僕も、あの水をかぶってこの穴にいれば、若返るのでは?」

主人公は、決意した。

この穴蔵で生活することを。

そして、うだつの上がらない人生からの、再生を願っていた。

著者について

様々な仕事に従事し、気が付けば「どインディー真っただ中。そして色んなトラックに揺られ、着いた所がインディー小説家。

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