『クリスマス・キャロル』の系譜に連なる
ヴィクトリアン・ゴースト・ストーリー13篇
12篇本邦初訳
ヴィクトリア朝期、ディケンズ『クリスマス・キャロル』がベストセラーとなって以降、聖夜の訪れに伴って出版社は作家に怪奇小説の新作を依頼し、特別なシーズンの贈り物として大衆に届けた――幽霊をこよなく愛するイギリスの国民性に根ざす慣例から生まれた作品を、数々の怪奇幻想小説を紹介する翻訳家が精選する。古屋敷に招かれた男が鏡の中に見た幻影「鋼の鏡、あるいは聖夜の夢」、もの悲しい海岸の村で起きたゴシック的怪異を綴る「海岸屋敷のクリスマス・イヴ」、奇妙な下宿で女性が体験する恐怖の一夜「メルローズ・スクエア二番地」など、知られざる傑作から愛すべき怪作まで13篇を収録。集中12篇が本邦初訳。
【目次】
クリスマス・ツリー チャールズ・ディケンズ
死者の怪談 ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル
わが兄の幽霊譚 アメリア・B・エドワーズ
鋼の鏡、あるいは聖夜の夢 ウィリアム・ウィルシュー・フェン
海岸屋敷のクリスマス・イヴ イライザ・リン・リントン
胡桃邸の幽霊 J・H・リデル夫人
メルローズ・スクエア二番地 セオ・ギフト
謎の肖像画 マーク・ラザフォード
幽霊廃船のクリスマス・イヴ フランク・クーパー
残酷な冗談 エリザベス・バーゴイン・コーベット
真鍮の十字架 H・B・マリオット・ワトスン
本物と偽物 ルイーザ・ボールドウィン
青い部屋 レティス・ガルブレイス
編者あとがき 夏来健次
1954年新潟県生まれ。主な訳書にラムレイ〈タイタス・