序盤の常識といえる理論を解説
序盤は、一局の枠組みを決める大事な分野です。実利型から模様型に途中から変えようとしても、それまでに打った石が無駄になってしまいます。アマチュアにはとかく序盤を軽視する傾向がありますが、それでは棋力が上がるにつれ、勝てなくなるときが必ずやってきます。本書は、序盤の常識といえる理論を解説し、プロとアマチュアの実戦を比較することで、悪い点がはっきりとわかるように構成しています。また各テーマごとに練習問題を収録しました。
テーマ1 四隅・四辺
原理① 四隅・四辺を占めてから戦う
原理② 良い布石を敷くと、中盤で戦いやすくなる
原理③ 定石で比較
原理④ 辺を占め合う
練習問題
まとめ
テーマ2 隅よりも辺が重要
原理① 大きくヒラくときは、星か星下に打つのが基本
原理② 三間ビラキの使用法
原理③ 二間ビラキは守備の目的で使用する
原理④ ヒラキの価値
練習問題
まとめ
テーマ3 隅は大きい? 大きくない?
原理① シマリは実利と勢力のバランスがとれている
原理② 極端な選択は良くない
原理③ 隅の実利は20目より小さい
原理④ 隅はいつ守らなければならないのか
練習問題
まとめ
テーマ4 序盤で二線に打ってはいけない
原理① 相手の二線におつきあいしない
原理② 二線に打ってもあまり地は増えない
原理③ 二線をハウとき、二回以上打つのは良くない
原理④ 相手が二線に打ってきたら手を抜け
練習問題
まとめ
テーマ5 石を押して良いときと悪いとき
原理① 相手の四線の石を押さない
原理② 押しの損失計算と価値
原理③ 必ず押さなければならない三つの場合
練習問題
まとめ
テーマ6 広い方向に展開する
原理① 囲碁は二つの絶え間ない選択
原理② 原則/自分の石がある方向から打つ
原理③ 原則/広い方向から打つ
原理④ 外観を得るための方向を判断し、選択する
練習問題
まとめ
テーマ7 両翼の布陣を与えない
原理① 小目のシマリからの両翼は最も威力的
原理② 両翼を許してはならない
原理③ 小さな両翼も威力的
原理④ 星の両翼は三々が弱点
練習問題
まとめ
テーマ8 絶対に根拠を確保する
原理① 弱い石は根拠がない石
原理② 攻めながら勢力圏を築く
原理③ タイプ1・しっかり守らない
原理④ タイプ2・地だけを考える
原理⑤ タイプ3・手抜き
原理⑥ タイプ4・打ち過ぎ
原理⑦ タイプ5・近寄り過ぎ
原理⑧ タイプ6・打ち込み
練習問題
まとめ
テーマ9 強い石と弱い石
原理① 強い石の判断
原理② 6目が生きの基準
原理③ 相手の勢力圏での二間ビラキは弱い石
原理④ 6目以上は生きており、手抜きが可能
原理⑤ 生きている場合は強い石
原理⑥ 中央に進出すると活力が生じる
実戦
練習問題
まとめ
テーマ10 石の高低
原理① 相手の石があるときは三線、自分の石があるときは四線
原理② 相手が強ければ低く、自分が強ければ高く
原理③ 高低は攻撃が目的
原理④ 自分の石の弱いほうから打つ
練習問題
まとめ
テーマ11 ヒラキの間隔
原理① 原則1/攻めのときは三間
原理② 原則2/相手の勢力がある場合は控えてヒラく
原理③ 相手の立場で見てみる
原理④ 弱い石は三子まで、四子以上は強い石
練習問題
まとめ
テーマ12 原理を適用したプロの実戦
実戦1 四辺を占めてから戦う
実戦2 なぜ辺を奪われると勝つのが難しくなるのか
実戦3 相手の勢力にいつ入っていくか
実戦4 弱い石が生じた場合は、むしろ捨ててしまう
【金萬樹】
1977年、生まれる。1994年、プロ入段。1999年、
【洪敏和】
1970年、東京生まれ。小学生の頃、兄と碁を始め、