18歳になった令嬢クリスティーナの初めてのロンドン滞在は、フィリップとい
う男のせいで台なしになる。裕福そうな身なりに、社交界で異彩を放つ漆黒の
髪と浅黒い肌——セクシーな風貌に惹かれたのも束の間、彼はいきなりクリス
ティーナに求婚し、唇を奪ったのだ。思わず彼の頬を打ち、クリスティーナは
逃げだした。数日後、彼女は就寝中に襲われる。目隠しをされ、肩に担がれ、
何日も経て辿り着いた場所は、見渡すかぎりの砂の国。暴漢が顔を覆っていた
布を取る。クリスティーナは息をのんだ。それは、あのフィリップだったのだ。
ハーレクイン
MIRA文庫