太陽の帝国

· 東京創元社
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少年はコンクリートの箱庭で、

餓えと病、暴力と死、

そして自由を知った。


〈破滅三部作〉で知られる20世紀SFの巨匠の名を不動のものとした瞠目の傑作長編、新訳決定版


第二次世界大戦の波が押し寄せつつある国際都市上海。共同租界に暮らす西洋人の日常は、本格的な日本軍の侵攻によって一変した。混乱する街中で両親と離ればなれになったイギリス人少年ジムは、西洋人が連れ去られた街で遺棄された屋敷やアパルトマンを転々として生き延びようとするが、やがて日本兵に捕らえられ、龍華収容所へと送られる──〈破滅三部作〉などで知られるニュー・ウェーヴSFの旗手が、その創作活動の源となった少年期の実体験に基づき書き上げた本書は、ブッカー賞の候補となって一躍文芸界でバラードの名を高らしめた。瞠目の傑作長編を新訳決定版にて贈る。

解説=柳下毅一郎

About the author

英国を代表する作家。1930年、上海生まれ。「人間が探求しなければならないのは、外宇宙(アウター・スペース)ではなく、内宇宙(インナー・スペース)だ」として、SFの新しい波(ニュー・ウェーヴ)運動の先頭に立った。終末世界を独自の筆致で美しく描き出した〈破滅三部作〉と呼ばれる『沈んだ世界』『燃える世界』『結晶世界』や、濃縮小説(コンデンスト・ノベル)と自ら名づけた手法で書き上げた短編を発表し、その思弁性が多くの読者を魅了した。本書『太陽の帝国』はスピルバーグ監督、『クラッシュ』はクローネンバーグ監督、『ハイ・ライズ』はベン・ウィートリー監督によって映画化された。他の著作に《J・G・バラード短編全集》全5巻、『殺す』『コカイン・ナイト』『人生の奇跡 J・G・バラード自伝』など。2009年没。

1951年福岡県生まれ。慶應義塾大学中退。主な訳書にディック『時は乱れて』『シミュラクラ』、カヴァン『氷』『アサイラム・ピース』、バラード『コカイン・ナイト』、共訳書に『J・G・バラード短編全集』『危険なヴィジョン』などがある。

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