ソング&セルフ: 音楽と演奏をめぐって歌手が考えていること

· アルテスパブリッシング
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ジェンダー、人種、死……
歌と自己が混じりあい、音楽は啓示となる。
英国を代表する世界的テノール歌手が
音楽の「隠された歴史」にせまる!

「自分はこれらの曲を演奏すべきなのだろうか?
自分にははたしてそんなことをする権利があるのだろうか?
自分自身のアイデンティティは、
ことばや音楽になって提供されている数多くのアイデンティティに
どのようにつながっていくものなのだろう?
また作曲家や詩人のアイデンティティにどうつながるのだろう?」
(本書第2章より)

歌をうたうとき、歌い手の自己はどのように変容するのか──。

「音楽の解釈者のなかでももっとも才能ある文筆家」(アルフレート・ブレンデル)と評される英国随一のテノール歌手イアン・ボストリッジが、「ダフ・クーパー賞」(すぐれたノンフィクション作品にあたえられる英国の権威ある文学賞)を受賞した前作『シューベルトの「冬の旅」』(小社刊)に続いて世に問う音楽論。

ジェンダー、人種、死をめぐり、モンテヴェルディ、シューベルト、シューマン、ラヴェル、ブリテンなどの作品を考察し、音楽の「隠された歴史」にせまる!

◎本書に登場する音楽作品

モンテヴェルディ『タンクレディとクロリンダの戦い』
シューベルト『冬の旅』
シューマン『女の愛と生涯』
ラヴェル『マダガスカル島民の歌』
ブリテン『カーリュー・リヴァー』『戦争レクイエム』『ヴェネツィアに死す』ほか

About the author

●著者紹介
イアン・ボストリッジ(Ian Bostridge)
イギリスのテノール歌手。とくにドイツ・リートの解釈では今日もっとも卓越した歌手のひとりとして、世界中で高い評価を受けている。さまざまな音楽祭やオペラハウスでの活躍に加えて、主要な指揮者、オーケストラとの共演も多数。近年はカーネギー・ホールをはじめ多くのコンサート・ホールでアーティスト・イン・レジデンスもつとめている。ヨーロッパや北アメリカ、極東で定期的にリサイタルをおこない、批評家からも絶賛されている。オペラや歌曲の録音は多数あり、グラミー賞を含めかずかずの賞を獲得している。最近の録音ではオッリ・ムストネンの交響曲第3番『天空の光』やブラッド・メルドーがボストリッジのために書いた連作歌曲集The Folly of Desireなどがある。
岡本時子(おかもと ときこ)
上智大学大学院外国語学研究科言語学博士後期課程単位取得退学。ドイツ、ザールラント大学留学。専門はドイツ言語学、音声学。信州大学教養部非常勤講師、上智大学一般外国語部講師をへて現在筑波大学グローバルコミュニケーション教育センター非常勤講師。

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