内容紹介
チェロとバイオリン、ビオラとバイオリンという2組の夫婦が音楽祭で出会い、弦楽四重奏を始めることになった。リタイア組とは毎日が日曜日のご身分。両夫婦とも下関に住んでいる。
練習会の場所は下関の日和山公園の中腹にある須藤章の屋敷で、彼はここで生まれ育った。練習室からは関門海峡が眺められる。その景色は本当に素晴らしい。
出会った意欲満々の時期から時を経るにつれ、メンバーは年齢なりに病を得、克服しを繰り返してきた。そして結成7年を過ぎた今も音楽用語の「ペルデンドーシ」(だんだん遅くしながらだんだん弱く、消えるように)のように、音楽する喜びの中で日々時を過ごしている。
この作品でも、老境の四人が好むあの曲、前出作品「カルテットのある風景」の冠曲『ベートーヴェン弦楽四重奏曲第16番第3楽章』が登場して、彼らの心境を物語る。
著者紹介 ー1939年~2021年ー
著者プロフィール(2020年5月)より
「名古屋生れ、広島大学卒。小学校の教員暦七年、
書くものとしては文学的なものから推理もの、歴史もの、
ライフワークとしたい目標は、